生きねば in ドイツ

明日はどっちだ?  ドタバタでやってきたドイツ。 ドイツ語、コロナ、家庭不和の洗礼をうけて、ただいま知恵なし、金なし、家もなし。 それでも、この異国(ドイツ)で生きねばならぬアラフォーの生きざまを綴ります。 神様、私は明日も屋根の下で眠れるのでしょうか…。

2021年11月


ドイツに来てから何度も、
「息子がいてくれて本当に良かったなぁ」
としみじみ思っている私。

息子がいなかったら、確実に引きこもりになっていたと思われます。

ドイツで会社勤めしているわけでもなし、特に出かけたい場所も用事もなし。
そんな私に毎日外出するモチベーションを与えてくれるのが息子。

ドイツの冬って、平気で氷点下をたたき出すんです。
帽子って重要な防寒具なんだな、ということにドイツに来て初めて気づきました。

耳を出しっぱなしにしていると冷えすぎて耳だけでなく、頭の芯まで痛むんですね…。
午前中は10時くらいまで霧が出てて、どこもかしこも湿ってるし…。

私1人だったら寒くて暗い中を出かけていく気にはならなかっただろうと思います。

でも、この頃の息子はお外遊びが大好きだったので、毎朝玄関のドアを叩いて、
「そと!」
と催促してくれるんです。

で、お出かけするとベビーカーの上にふんぞり返って道行く人みんなに
「チャオ!チャオ!」
と挨拶するので、自然とご近所に顔見知りも増えまして。

私一人で歩いてチャオチャオ言ってたら、いくらドイツでも変人ですからね。

ちなみにうちの家族で「チャオ」とあいさつする人は皆無。
息子、この挨拶を上の階に住むキューバの方から覚えました。

いつ会っても、満点の笑顔で
「チャオ、アミーゴ!サムライ、元気?」
と声をかけてくれる彼のことが大好きな息子。

ママ、パパの次くらいに「チャオ!」という挨拶を覚えていたような気がします。

余談ですが、出かけるときはほぼ私+息子のペアなので、毎回、この人に
「パパは?パパはどこ?仕事なの?」
と聞かれるのが若干苦痛でしたね…。

どう答えたら正解なのかわからず、いつも
「パパはおうちだよねー」
とかわしていました。


徒歩圏内に5か所ほど公園があるので、
「どこ行きたい?」
と息子に尋ねて指さす方向へ向かって歩き出す毎日。

寒くなってきたらスーパーやドラッグストアに避難して、お昼まで遊んだら家へ帰って昼食とお昼寝。
14時ころから16時ころまでお昼寝させたら、起きるころにはもうドイツは真っ暗。

息子の相手をしながら夕ご飯を作って、18時に夕ご飯。

私が住んでいる地域は硬水なので、乳幼児を頻繁にお風呂に入れるのは肌に良くないということで、息子のお風呂は週に2度程度。

お風呂に入れる日は晩御飯あとにお風呂で、8時過ぎには就寝準備。

これ以上ないほど、シンプルな毎日です。

こんなシンプルな日々でも退屈しなかったのは息子がいてくれたから。

息子も3歳になりましたが、今も息子に救われる日々を送っています。
子供を産む前は「子供は3歳になるまでにすべての恩を返す」なんて話を聞いてもピンとこなかったのですが、今はよーくわかります。



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息子が6ヶ月のときにドイツに引っ越してきたので、私は日本での子育て経験が半年しかないのですが、それでも

「ドイツで子育てするほうが私にはラクだなー」

と感じます。

まず、ドイツのバスには必ずベビーカー/車いす用のスペースがある、というのが理由の一つ。
乗降用のドアのすぐそばがそのスペースになっていて、ベビーカーは折りたたまずに子供を乗せたままで乗車できます。

電車も同様で、ベビーカーを折りたたむ必要はありません。

ドイツのベビーカーは積もる雪や石畳の道に対応しているのか、車輪が大き目で重いものがほとんど。
こんなもん片手で持ちながら、片手で子供を抱えて公共交通機関に乗るなんてことになったら、私、引きこもります…。

もう一つ、ほとんどのドラッグストアにおむつ替えスペース、授乳スペース、子供用の遊び場があること。
子供用の洋服も120㎝くらいの大きさまでならドラッグストアで買えることが多いです。

これは本当に助かります。
冬場、お友達とクリスマスマーケットに出かけた際、お子さんがおむつ漏れしてしまって着替えが必要になったとき、このおむつ替えスペースにめちゃくちゃ助けられました。

ドイツの冬なんて、むちゃくちゃ寒いですからね。
小さい子にお外でお着換えなんてさせられないし、濡れた洋服の替えもない…。

そんなとき、ドラッグストアはすごく便利。
洋服も買えるし、おむつ交換台には無料のおしりふきやおむつまで揃っているし。

子供と遠出するときはまず、ドラッグストアの位置を確認するくらい、お世話になっています。

ドイツ、コンビニもないし、公衆トイレも少ないし、トイレ難民になりがちなんですが、子供のおむつ替え環境は整ってますね。

で、これは地域にもよるかもしれませんが、公園が多くて遊具が充実している、という点。
うちの近所だけでも大小あわせて徒歩圏内に5つほど公園があります。

日本では徒歩圏内に公園は1つしかなかったので、ドイツに来て公園の多さにとても驚きました。

「こんなに素敵な公園を無料で使わせてもらえるなんて…ドイツに税金払いたい」
って生まれて初めて納税意欲が湧きましたよね。

…仕事、頑張らなきゃ…



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 旦那とは彼が大学生の頃に知り合ったんですけどね。
その頃は、彼にもお友達がいたはずなんです。

私がドイツに旦那を訪ねた際にはお友達の家にも遊びに行かせてもらったりしましたし。

なのに、ドイツに越してきてから半年以上、旦那の友達を一人も見ていない。

正確には、ドイツに越してきた当初はいたんです、お友達。
義母の家に居候していたころは時々、
「友達のバーに出かけてくる」
と夜中に出て行ってたので、友達がいたと思われるんですけど、ある時

「友達、変わっちゃったよ。
 なんか、ネオナチっぽくなってた。
 もう、会いに行かない」

と言って帰ってきまして。

その時は、
(日本人と結婚したことで何か言われたのかしら?)
と気の毒に思って、あまり深くは聞きませんでした。

それ以来、友達と出かけることも、友達が訪ねてくることもなく。

(他の町の大学に行ったし、地元にはあまり友達がいないのかしら…)
と少し心配もしていたのですが、やっと

「友達に会いに行ってくる」
という言葉が旦那から出まして。

「同窓会みたいに年一回は集まってたんだけど、今年はバタバタだったから夏に集まれなくて」
とのことでしたので、口には出さずとも
(おぉ、お友達、いたのか!)
と嬉しくなって、良かった、良かった、と送り出したんですけど、
3日くらい帰ってきませんでしたね。

私が語学学校に行かなくなり、ずっと家にいるもので、旦那も今が好き放題できるチャンスだと思ったのでしょうか。

この頃から、一人で泊りがけで出かけることが増えました。

異国でワンオペで子育てするのは大変だろう、というイメージがありますが、実際には旦那が出かけてくれると楽でした。

雑な私の不始末を監視する人がいませんからね。

箸の上げ下げまで、とは言わないまでも、シャワーの使い方から換気の仕方、タオルの干し方まで大変細かいご指導をいただいていたので飽き飽きしてたんです。

(することない人は細かいところに目が行き届くんだなぁ)
と嫌味な感心の仕方をしてました。

このまま、時々旦那が泊りがけで出かける生活が続けば良かったんですけどねぇ。



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デュッセルドルフ旅行で自分のメンタルのやばさに気づき始めた私ですが、
事態はここからまだ悪化していきます。

今までは、
語学学校に通えていた=家庭から離れる時間があった 
のですが、

「君に、語学学校と仕事、家庭を両立させるのは無理だ」
と旦那に言われまして。

つまりこれ、
僕の負担が大きいから語学学校行くのはやめてくれ
ってことなんですよね。

妻がドイツ語を話せるようになれば自分の負担が減るだろう、と踏んでいた旦那ですが、語学学校にちょっと通ったぐらいで役所関連の書類やなんかを私が処理できるようになるはずもなく。

私の分も含めての健康保険やら、息子の病院関連やら、アパートの管理組合的な事務は全部、旦那にお任せだったんです。

日本に住んでいた時は私がそれらをやっていたもので、どこかで
(あなたの国に住んだらあなたがやるのは当然でしょ)
と思っていたんでしょうね、私。

「僕に面倒なことをやらせているのに、君には感謝の気持ちがない」
とも言われました。

これで我が身を反省するようなタイプなら良かったのかも知れませんが、私が思ったのは

働きもせず、時間はたっぷりあるくせに、ケチくさい人だな。

でした。

口にはしませんでしたが、旦那も私の気持ちに感づいていたんでしょうね。
私に対するイライラが募っていっているのがわかりました。

そんな中で、語学学校へも行けず、四六時中旦那と一緒、という生活が始まりました。

この時はまだ、クリスマス時期が過ぎたらまた語学学校再開すればいいや、くらいに思ってたんですけどね…。

大きく思惑が外れましたね…。


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で、翌朝。
昨晩もホテルのバーで1人飲んでいた旦那には、ゆっくり寝てもらって、息子と風呂遊びに勤しみます。

旦那には今日も長距離を運転してもらうので、ゆっくり寝てもらいたい。
でも、日本食材の買い出しにさっさと行きたくて、実は気もそぞろな私。

宿泊していたホテルの近くに日本食材を扱うお店が2軒あったので、すでに
「あれも買おう、これも買おう」
と心の中でリストアップしていたんですよね。

私がドイツで住んでいる町でも日本食材を扱うお店はあるし、醤油や海苔、ワサビくらいならそこらのスーパーでも売っていたりするんですが、デュッセルドルフは品揃えが違う!

なんでもある。

白だしやら、お餅やら、豆腐やら、納豆やら…日本米もある!!日本酒も!!

それが何種類もある中から選べる。

私が住んでいる町だと、醤油はKIKKOMAN一択ですし、海苔はなぜかベトナムの方が微笑んでいるパッケージだし(しかも商品名がTOKYOTO。次に買ったら写真撮ります)、ワサビもメーカー不明の一種類。

噂に聞いているドイツの長く、暗く、寒い冬を少しでも幸せに乗り切るために、絶対に日本食材は買って帰りたい。

そんなもんで、旦那に対して

  ゆっくり寝てねー VS 早く起きて―

という気持ちのせめぎあいがありました。

旦那が起きたのは10時ころだったでしょうか。
ホテルのチェックアウトは11時。

「私、日本食材買いに行ってきてもいい?」
と起き抜けの旦那に声をかけると、

「ちょっと待ってー」
とのこと。

あまり時間もないので、一人でパパっと買いにいってチェックアウトの時間までに戻ってこようかな、などと考えていると

「買い物、どれくらい時間かかるの?10分あれば大丈夫?
 さっさと帰ってきてね」
と言われました。

これ、私が心の中で考えていたのと同じことを旦那が言っただけなんですけどね。

私、これを聞いてドイツに来て、初めて旦那の言葉で泣いた。

いや、他に泣くポイントなんかいくらでもあったやろ、と思うんですが。

「日本食材の買い出し、私が楽しみにしてたの知ってるよね?
 昨日も時間ちょうだいって、お願いしたよね?
 時間がなくなったのはあなたが遅くまで寝てたからよね?
 あなたの買い物には気が済むまで付き合ったよね?」

旦那が引くくらい泣いた。

旦那も「なんで?」と思ってたでしょうが、私も
(なんでこんなに腹が立つのかしら)
と泣きながら思ってました。

今思うと、知らない内に何かしらの鬱憤が溜まっていたのではないかと。
それを発散する機会がなかったからこれを口実に泣いたような気がするんですよね。

異国で生活してると、
(他所の国にお邪魔してるんだから、自分の思い通りにいかないことがあるのは仕方ない)
と気持ちをしまい込むことは多々ありますし、加えてうちの旦那は気持ちの浮き沈みの激しい人なので、
(まぁ、こういう人なんだから仕方ない)
と正面衝突を避けてきたことも多々。

…これ、私のメンタルも結構やばいんじゃないか…

そんなことに気づいた一件でした。

あ、日本食材の買い出しですか?
泣いたらすっきりしたので、さくっと済ませました。


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