生きねば in ドイツ

明日はどっちだ?  ドタバタでやってきたドイツ。 ドイツ語、コロナ、家庭不和の洗礼をうけて、ただいま知恵なし、金なし、家もなし。 それでも、この異国(ドイツ)で生きねばならぬアラフォーの生きざまを綴ります。 神様、私は明日も屋根の下で眠れるのでしょうか…。


やがて前菜がテーブルに並び、ゼクトが開けられ、クリスマスの晩餐が始まりました。

一皿ずつ、5皿にも及ぶコースの料理を出してくれる義母。
落ち着いて座っている暇もありません。

前菜はサーモンに海老とホタテ、サラダ、パスタ料理に続いてジビエのメイン、それから三品のデザートという構成だったと思います。

ここまでしてくださる義母には本当に頭が上がりません。

…が、息子は早々に飽きた。
1歳を過ぎたばかりの息子は別メニューのパスタとサラダスティックを食べたらもうお腹いっぱい。
席に座って大人の話を聞いてても面白くないですもんね。

息子が華やかに整えられたテーブルにいたずらし始める前に、床に下ろして、おもちゃでごまかすことしばし。

こうなってくると私も落ち着いて座ってはいられません。

「むったー、座って食べなさーい」
と声はかけていただくものの、そこらを歩き回っている息子が義母の家の大切なものを壊したらどうしようか、と落ち着きません。

うちの息子、私がうっかり寝落ちたすきにミニカーを解体して部品のワイヤーを抜き取り、コンセントにワイヤーを突っ込んだことがあるんです。

普段、我が家のコンセントにはプロテクトカバーをはめているんですが、その日は私がスマホの充電を子供部屋でしていたもので、息子は私の充電器をコンセントから抜いたんですよね…。

うちのアパート、4異常を検知したらブレーカーが落ちるようになっているようで、おかげで息子はなんともなかったのですが、本当に肝が冷えました。

もちろん、旦那は私の不始末に怒り狂いまして、今でも「むったーがいかに母親として不適格な人間か」を主張する際にはこのエピソードが引っ張りだされます。

で、義母の家のコンセントにはプロテクトカバーもついていないし、ガラス製品も多いし、クリスマスなので火をともしたキャンドルまである。

うろつく息子のあとを追いかけて、義母が出してきてくれたおもちゃで遊んで、隙を見て食べて、とやっているうちに気づけばもう9時。

そろそろ眠たい息子がぐずり始めたところでプレゼント開封の儀とあいなり、あくびをしていた息子の目が

    カッ

と開く音がしました…。


 義母の家は交通の便が悪く、車以外の交通手段でうちのアパートに戻るのは難しいのですが、旦那はしこたま飲んでますし、今日はもうこちらに泊めていただくしかない。

そのつもりで用意はしてきていますが、この日の夜は結構大変でしたね…。



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プレセント選びに悩みながら迎えたクリスマス当日。
義母の家には、私たち一家と義兄一家が集まりました。

義父は体の自由があまりきかないので、翌日に義父宅でもう一度集まる予定になっていました。

7人分の食事を用意してくれるのは義母。
何かしらお手伝いさせてもらえないか、と思ってエプロン持参で行きましたけど、何の役にも立ちませんでしたね、私。

クリスマスの食事準備が繰り広げられるキッチンはまるで戦場。
ドイツ語が理解できない私に色々説明してもらうほうが義母の手間になることがわかったので、おとなしく息子とツリーを眺めたり、英語が通じる義兄の息子さんたちとお話して時間をつぶしました。

義兄は良い方なので、
「むったー、僕、ロゼッタストーンで英語の勉強始めたよ。
 日本語は難しすぎて、無理だった、ごめんね」
と優しい気遣いを見せてくれました。

あ、義兄の奥さんが出てこないのは数年前に離婚したからです。
この日も元奥さんはいらしてませんでした。

息子さんたちは義兄と暮らすことを選んだので、別れた奥様には彼女が暮らしていけるように別に一件家を購入してあげたそうです。

旦那が教えてくれました。

義兄の元奥さんはフランスの方で、元々はうちの旦那のベビーシッターをしていた人です。
ドイツ語でいう「オペア」で、住み込みで食・住を確保しながらこのお仕事をしつつ、学校に通ったりする人もいるのだとか。

日本人でこの「オペア」の仕事のビザをとってドイツに来た人の話もちらほら聞いたことがあります。

「兄さんは真面目でつまらないから、奥さん出て行ったんだよ」
と旦那は義兄に対して辛辣ですが、私の目から見ると義兄は「できる男」。

私に対しては柔和な表情を見せていますが、息子さんたちの彼に対する態度を見ていると、厳しい父親なんだろうな、ということがわかります。

ちなみに、義母と義兄には血のつながりはありません。
義兄は義父がまだ若いころに別の女性との間に生まれ、すでにその女性は亡くなっています。

どういういきさつがあったのかはわかりませんが、義母はこの義兄とその家族を自分の家族として受け入れている様子。

義母の口から、「あの子は私とは血がつながっていないのよ」とかそういう話は一度も聞いたことがありません。

義母の懐の深さというか、責任感とか情の強さを思うと、私ももっと色々頑張れるんじゃないかなぁと思うんですけど、全然足元にも及びませんね…。

てか、この義母がなんでもできすぎるのでうちの旦那がこんな感じに仕上がってしまったんじゃないかと、思ったり、思わなかったり…。


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義母へのクリスマスプレゼントも悩みの種でしたが、クリスマスとなるとその他の親族も集まります。

【プレゼントご用意リスト】
・義母
・義父
・義父のヘルパーさん
・義兄
・義兄の息子さん2名 (ハイティーンと20代の男子)

以上、最低でも6名分のプレゼントを用意しなければならない…。

もちろん、まずは旦那に相談したんですけど。

「うちの父さんは何もいらないよ。物欲ないし、何あげても使わないよ。
 形だけ何か渡しとけばいいから」
って。

私たち、義父が購入したアパートに住ませていただいているんです。
その義父に「何か適当なプレゼント」って難しい…。

義父、何度か倒れていますし、糖尿病もあるから食品系は避けたい。
お酒もちょっと健康への気遣いに欠ける気がするし…。
お酒がOKなら最近ヨーロッパでも人気の日本のウイスキーとか贈りたかったな…。

で、思いついたのが「くるみ割りツール」。
義父、ソファテーブルの上にいつも殻付きのくるみを置いているんです。
で、どうもテレビを見ながらくるみを割ってぽりぽり食べているみたい。

そこで、クリスマスマーケットで実演販売していたクルミ割りを買いました。
で、「お金持ちにものをあげるときは、金額よりも労力を使え」という私の中のセオリーに従って、義父と息子の写真を集めたフォトアルバムも作成して、これで良しとしました。


※今、画像検索してみたんですけど、見つからなかった…。
筒の中にくるみを入れるとばねの力でくるみが割れる、というちょっと珍しいタイプのくるみ割りだったんですけど、写真撮っておけばよかった…。

お世話になっている義父にこんなものでいいのかしら、と思ってびくびくしながら差し上げたんですけど、くるみ割りはすぐどこかにしまい込まれましたね。
仕掛けを面白がって使ってくださったのは2度くらいだったかな…。
大切にしていただけたのは、息子と義父の写真を集めたフォトアルバムの方でした。

(今後、義父に差し上げるものは孫との思い出グッズ系にしよう)
と、義父と会うたびに息子と義父の写真をできるだけ撮るように心がけました。

この義父、最近亡くなってしまったので、たくさん息子との写真を撮っておいて本当に良かったな、と思いました。

義父さんのために、と思ってやったことが後々自分を救うことになるなんて、「情けは人のためならず」って本当なんですね。


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